妊娠時の注意点
妊娠した際に体に現れる変化や注意点、妊娠を継続される際の注意点、中絶手術に関する注意点などから代表的なものをご紹介します。ただし、こうした注意点に関しては個人差がありますので、医師の指示があった場合には、そちらを優先してください。
体に現れる変化や注意点
基礎体温
妊娠すると高温層の体温が続き、体感で熱っぽく感じることもあります。基礎体温を継続的に記録していると高温層・低温層の判断がつきやすくなります。
月経
月経周期などにより個人差がありますが、月経の予定日から最短で4・5日、通常は2週間経過しても月経が開始されなかったら、妊娠している可能性があります。 受精卵は着床時に多少出血を起こすことがありますが、月経時の出血と比べて明らかに少ない出血です。そのため、普段の月経より少ない出血や、短い期間の出血があった場合にも妊娠している可能性があります。
乳房・乳首・乳輪
妊娠したことで、乳房の張りや乳房が大きくなる場合があります。また、乳首へのチクチクする刺激、乳首や乳輪が大きくなる・色素沈着して黒ずむなどが妊娠によって起こることもあります。
つわり
個人差がありますが、早い方は月経予定日から1週間後につわりがはじまります。つわりは、空腹時のむかつき、吐き気、嘔吐などが主なものですが、食べ物の好みへの変化もよくあります。酸味が欲しくなる方もいますが、甘いものが無性に食べたくなるケースなどもあります。唾液が増える場合もあります。また、こうしたつわりの症状がまったくない方もいらっしゃいます。
想像妊娠について
実際には妊娠していないのに、生理が止まるなどの妊娠初期の症状が現れるものです。妊娠したいと強く考えて起こることもありますが、妊娠したくないと意識しすぎて起こることもあります。
妊娠継続をご希望される方へ
当院では妊娠9か月までの妊婦健診に対応していますが、分娩は取り扱っていないためご希望の医療機関の産婦人科をご紹介しています。里帰り出産などのご相談も承っています。
妊婦健診について
健診日には、必ず母子手帳をお持ちください。なお、出血などなんらかの異常があった場合には健診を待たずに当院まですぐにご連絡ください。なお、当院では、3Dカラー超音波により赤ちゃんの様子を毎回チェックしています。また、妊娠24週目以降は、毎回、胎児心音モニタリングを行います。このモニタリングには20~30分程度かかりますので、時間に余裕を持っていらしてください。
- 妊娠23週(6か月)まで:4週間に1回
- 妊娠24~35週(7~9か月):2週間に1回
妊娠9か月目以降は、分娩をご希望される医療機関に引き継いでそちらで健診を受けていただきます。
中絶手術について
決断のタイミング
中絶手術は、早期の受診・手術によって母体への負担を最小限に抑えることができます。特に、中期中絶手術に比べ、初期中絶手術は母体や経済的な面でもご負担を大きく軽減できます。できれば妊娠5~9週目まで、遅くとも妊娠12週目までのタイミングで受けることが重要です。パートナーやご家族と話し合われて中絶手術をご希望になる場合、できるだけ早くご相談ください。
母体保護法指定医
中絶手術は、母体保護法指定医でなければ実施できません。当院の院長は母体保護法指定医ですから、安心して手術を受けていただけます。他の医療機関をお探しになる場合にも、必ず母体保護法指定医から選ぶようにしてください。
手術前の注意点
男性の同意書が必要
中絶手術を行う際には、男性の同意書が必要です。これは、妊娠初期・中期、未婚・既婚に関係なく必要です。また、未成年者が中絶手術を受ける場合には、保護者の同意も必要です。
服用中のお薬
持病があるなどで服用しているお薬がある場合、事前にお伝えください。お薬手帳をご持参いただくか、お薬そのものをお持ちいただいても構いません。
手術当日の注意点
食事・水分摂取の制限
手術開始予定時間の12時間前までに食事をすませてください。これ以降になにか食べてしまった場合、麻酔ができないため手術は中止となりますのでご注意ください。 水分の摂取は、手術開始予定時間の4時間前です。
運転制限
麻酔を行いますので、当日は自動車などの運転ができません。
メイク
手術は、マニキュアを含むメイクを落とし、アクセサリーもすべて外してから受けていただきます。マニキュアはご自宅で落としてからいらしてください。ただし、手術後のメイクは可能ですから、必要な方はメイク道具をご持参ください。
コンタクトレンズ
手術の際にはコンタクトレンズを外していただきますので、レンズの保管ケースと保存液をお持ちください。
靴
麻酔の影響が少しだけ残る可能性があるためハイヒールを避け、安定感のあるヒールが低い靴でお越しください。
スケジュール
手術自体は10分程度ですし、ご来院からご帰宅まで最短で3~4時間程度ですが、手術当日は丸1日予定をあけておくようお願いしています。手術後はご自分で歩いてご帰宅できますが、ご自宅では安静を保っていただく必要があります。
送迎やお問い合わせ
当院ではプライバシーを重視しており、守秘義務を厳格に守っています。そのため、お迎えにきていただく、あるいは確認でお問い合わせいただく場合、事前に患者様からお名前をお伝えいただいた方にしか対応いたしません。ご家族やご友人に送迎をお願いする場合には、その方のお名前を事前にお伝えください。
手術後の注意点
感染や出血のリスクをはじめ、お身体への負担を最小限に抑えるために、下記のことにご注意ください。
不正出血
中絶手術の後、1~4週間程度の間には不正出血が起こることがあります。ただし、3日以上多量の出血が続く場合には、すぐにご連絡ください。
シャワーや入浴
シャワーは手術翌日から可能です。ただし、バスタブでお湯に浸かるのは、感染の可能性があるため医師の許可があってからにしてください。
手術後最初の月経
手術後最初の月経は1か月半~2か月後までに訪れますが、月経がはじまるまでの期間に妊娠する可能性があります。
日常生活について
手術後の診療で受けた医師の指示に従ってください。一般的に翌日からお仕事や学業、家事などに関しては、無理のない範囲で普段と同じ生活を送っていただけます。スポーツなどに関しては、医師にご相談ください。
手術後の通院
手術後は5~14日後までの間に、経過観察のための診察を必ず受けていただきます。経過が順調であれば2回程度の通院となりますが、場合によってはそれ以上の受診が必要になることもあります。出血・下腹部痛がひどい場合には、経過観察のための診療を待たずすみやかにご連絡ください。
ピルや避妊リング
ピルの処方、避妊リング(ノバT、ミレーナ)の装着は、次回の月経があってからになります。早めにご相談いただけると、安心してお過ごしいただけます。